天使か悪魔か4

試合結果は2-15

ボロ負けだ。

ゲームの最中何度も泣きそうになった、こんなにみじめな事はない。

気分は最悪だ、現実は残酷なもので全クラス中最下位が決定した。

でも、それでも先生は「コウくんなりに良く頑張った!」って言ってくれた。

ぼくは単純だから気を持ち直した。

そして先生はぼくの頭をポンポンってなでてくれた、優しくなでてくれたんだ!

その時、先生の大人っぽくて優しくて、香水の匂いかな?甘くて良い香りがした。

そんな夢のようなひと時もすぐに終わった。

「おい、コウ」

「なんでお前がほめられてんだよ」

クラスの男子だ……。

「お前のせいでこっちは負けたんだぞ!」

そんな……。

後ろは守るって言ってたじゃないか……。

「聞いてんのか!?」

ゆるい球投げて打たせてもかまわないって……。

「シンヤくんやめなさい」

先生……。

「コウくんは今落ち込んでいるの、責めたりしないで!」

「それにコウくんが運動が苦手なの知ってるでしょ?それでも逃げずに正々堂々勝負して、精一杯頑張ったじゃない!」

「シンヤくんだって見てたでしょう?なぜそんな事言うの!?」

「……。」

「さぁもういいでしょ、負けたことは仕方ないわ、それよりも他のクラスの試合を一緒に観戦しましょう!」

先生……。

なんだかぼくは……。

よくない考え方かもしれないけど……。

得をしたような、そんな気分になった。

 

 

 

つづく