試合結果は2-15
ボロ負けだ。
ゲームの最中何度も泣きそうになった、こんなにみじめな事はない。
気分は最悪だ、現実は残酷なもので全クラス中最下位が決定した。
でも、それでも先生は「コウくんなりに良く頑張った!」って言ってくれた。
ぼくは単純だから気を持ち直した。
そして先生はぼくの頭をポンポンってなでてくれた、優しくなでてくれたんだ!
その時、先生の大人っぽくて優しくて、香水の匂いかな?甘くて良い香りがした。
そんな夢のようなひと時もすぐに終わった。
「おい、コウ」
「なんでお前がほめられてんだよ」
クラスの男子だ……。
「お前のせいでこっちは負けたんだぞ!」
そんな……。
後ろは守るって言ってたじゃないか……。
「聞いてんのか!?」
ゆるい球投げて打たせてもかまわないって……。
「シンヤくんやめなさい」
先生……。
「コウくんは今落ち込んでいるの、責めたりしないで!」
「それにコウくんが運動が苦手なの知ってるでしょ?それでも逃げずに正々堂々勝負して、精一杯頑張ったじゃない!」
「シンヤくんだって見てたでしょう?なぜそんな事言うの!?」
「……。」
「さぁもういいでしょ、負けたことは仕方ないわ、それよりも他のクラスの試合を一緒に観戦しましょう!」
先生……。
なんだかぼくは……。
よくない考え方かもしれないけど……。
得をしたような、そんな気分になった。