天使か悪魔か9

次の日、朝はすぐにやってきた。

「コウちゃん、はやく起きなさい、コウちゃん、学校に行く時間よ」

母さんが耳障りな声でぼくを起こしに来た。

うるさい。

「ピポパポピン」

ぼくは時を止め、そのまま眠りについた。

ふぁ~あ~あ~、よく寝た。

目をこすりながら周りを見るとまだ母さんが「起きなさい」という表情をしている。

そのまま固まっていてなんだかバカみたいだ。

一瞬このまま学校へ行かず、ゲームをして過ごそうかと思ったが、静止した時の中では

ゲーム機が動かないだろうからやめた。

さて、そろそろ起きるとするか「ピポパポピン!」時を元に戻した。

じゃ、いってきまーす。

通学路に女子がいる、よーし「ピポパポピン!」

何の恨みもないけどスカートめくりだ!えい!

「白」「白」「ピンク」「花柄」「黒」「しましま」!!

うひょー!!この能力最っ高!「ピポパポピン」「きゃー!」

学校に着くと一時間目、算数、……苦手だ。

「朝っぱらからで悪いが小テストだ」

テストが配られる。

くへへ、ぼくには「ピポパポピン」がついている。

うひょー!カンニングし放題!

それどころか、やろうと思えばテスト中の今、教室を出ることもできる。

そして職員室にあるであろう「正しい答えが書かれた解答用紙」さえ手にする事が出来る!

そうだ!前々から恨みのある「シンヤ」の解答用紙をケシゴムで消しちゃえ!

上から間違った答えで修正だ!ふふふ

楽しいぞ!楽しいぞ!おまけにシンヤの顔の前でおならをかましとこう、ししし。

二時間目は体育で陸上競技だ。

まずは走り高飛び、シンヤの番になったらやつが跳んだ瞬間、時を止める。

シンヤのズボンをバーに通して時を元に戻す。

「うああああああああ」

ズボンがバーに引っかかり、脱げた。

パンツ一丁の姿で真っ逆さまに転げ落ちた。

それを見たクラスの皆は大爆笑!

ははははは、いいきみだ、野球の時のお返しだ。

 

 

 

つづく