次の日、朝はすぐにやってきた。
「コウちゃん、はやく起きなさい、コウちゃん、学校に行く時間よ」
母さんが耳障りな声でぼくを起こしに来た。
うるさい。
「ピポパポピン」
ぼくは時を止め、そのまま眠りについた。
ふぁ~あ~あ~、よく寝た。
目をこすりながら周りを見るとまだ母さんが「起きなさい」という表情をしている。
そのまま固まっていてなんだかバカみたいだ。
一瞬このまま学校へ行かず、ゲームをして過ごそうかと思ったが、静止した時の中では
ゲーム機が動かないだろうからやめた。
さて、そろそろ起きるとするか「ピポパポピン!」時を元に戻した。
じゃ、いってきまーす。
通学路に女子がいる、よーし「ピポパポピン!」
何の恨みもないけどスカートめくりだ!えい!
「白」「白」「ピンク」「花柄」「黒」「しましま」!!
うひょー!!この能力最っ高!「ピポパポピン」「きゃー!」
学校に着くと一時間目、算数、……苦手だ。
「朝っぱらからで悪いが小テストだ」
テストが配られる。
くへへ、ぼくには「ピポパポピン」がついている。
うひょー!カンニングし放題!
それどころか、やろうと思えばテスト中の今、教室を出ることもできる。
そして職員室にあるであろう「正しい答えが書かれた解答用紙」さえ手にする事が出来る!
そうだ!前々から恨みのある「シンヤ」の解答用紙をケシゴムで消しちゃえ!
上から間違った答えで修正だ!ふふふ
楽しいぞ!楽しいぞ!おまけにシンヤの顔の前でおならをかましとこう、ししし。
二時間目は体育で陸上競技だ。
まずは走り高飛び、シンヤの番になったらやつが跳んだ瞬間、時を止める。
シンヤのズボンをバーに通して時を元に戻す。
「うああああああああ」
ズボンがバーに引っかかり、脱げた。
パンツ一丁の姿で真っ逆さまに転げ落ちた。
それを見たクラスの皆は大爆笑!
ははははは、いいきみだ、野球の時のお返しだ。